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「中国解体」の為の長期戦略が必要

「覇権主義」と「人権抑圧」を消滅させる為に

[2024.7.1]



中国全土に粛清の嵐が吹き荒れた文化大革命(1966~1976年)
Photo(C)大紀元


毛沢東の神格化を推進する習近平


 昨年12月26日、「毛沢東同志生誕130周年」を記念するイベントが北京で開かれ、そこで習近平は、毛沢東をかつてないほど礼賛して次のように語った。

「毛沢東同志は偉大なるマルクス主義者、偉大なる無産階級革命家、戦略家、理論家であり、マルクス主義の中国化の偉大なる開拓者であり、中国社会主義現代化建設事業の偉大なる創始者であり、近代以来の中国の偉大なる愛国者で民族英雄であり、党の第1代の中央指導集団の核心であり、中国人民の運命と国家の姿を徹底的に変えた時代の偉人であり、世界のために抑圧された民族を解放し、人類進歩の事業に対し、重大な貢献をした偉大なる国際主義者である」

「毛沢東思想は、我らが党の貴重な精神的財産であり、長期的に我々の行動を導いてくれた。毛沢東同志を最もよく記念するには、彼が始めた事業を継続して前へと推進させることである」

 習近平のスピーチの中では、文化大革命に対する否定的な表現などは全く見られず、毛沢東に対するポジティブな評価ばかりが全面的に打ち出された。

 中国の最高指導者が、文革について遺憾の意を表明することなく、手放しで毛沢東を賛美した事例は、文革終結の1976年以降、習近平が初めてである。

 今や習近平は、自らを「毛沢東の後継者」と位置付け、毛沢東の神格化を推し進めると共に、「第二の文化大革命」を開始しようとしているのである。



「秘密警察大国」へと向かう中国


 中国では、今年2月27日に全人代常務委員会で「保守国家秘密法」(国家秘密保護法)が14年ぶりに改正され、5月1日から施行された。

 これは国家機密に関する情報漏洩を徹底的に取り締まる為の法律であるが、その適用範囲が極めて広く、いくらでも拡大解釈が可能である為、恣意的に運用され得る性質の法律である。

 まず「国家秘密」の定義について、同法第13条では「その漏洩が、国家の政治、経済、国防、外交等の分野の安全および利益を損なうおそれのあるものは、国家秘密とする」とされている。

 そのため、単なる政策批判でさえ「国家秘密漏洩」の罪に問われることになる。

 今回の法改正の最大の目的は、習近平の経済政策の失敗を批判する政敵や反対派を一掃する狙いがあると考えられる。

 1950年代末に毛沢東が大躍進政策に失敗し、実権派の劉少奇や鄧小平らによって失脚させられた「悲劇」を繰り返さない為に、2020年代の経済政策に失敗した習近平は、先手を打って反対派による言論を封殺しようとしているのである。

 これは言い換えれば、習近平政権がすでに中国経済に見切りをつけている事を意味する。

 習近平は「経済大国」を目指す方針を捨て去り、不平不満を口にする者を逮捕する「恐怖政治」を本格化させることにしたのである。

 かくして今後の中国は、習近平の独裁体制を強化する「秘密警察大国」と化し、文化大革命のような激しい粛清の嵐が吹き荒れる時代になるであろう。



「改革開放」路線からの180度反転


 習近平がこの10年間に進めてきた経済政策は、「改革開放」路線の完全否定であり、そこからの180度の反転であった。

 かつて1978年に復権した鄧小平が掲げた「改革開放」政策は、公有制を基本としながらも、私有経済を拡大する方向性を示した。

 その後、中国では民営企業が発展して市場経済が拡大し、「社会主義市場経済」という独自のルールによって、中国経済は国際経済とつながる事が出来た。

 鄧小平が推進した「改革開放」路線は、紆余曲折を経ながらも、後継者である江沢民、胡錦涛と三代にわたって進められてきた。

 ところが2012年に成立した習近平政権は、政敵の江沢民・胡錦涛をはじめとする共産党元老達や官僚達との権力闘争の過程で、彼等とつながる国際資本や民営企業家を打倒する方向へと政策を転換した。

 それは民営企業への規制強化と主要産業の国有化の推進であり、「国進民退」と呼ばれた。

 すでに江沢民や胡錦涛の時代にバブル経済の種子が撒かれていた為、習近平政権の前半期は大層景気が良く、不動産バブルが発生した。

 だが2020年以降、中国国内の不動産バブルは崩壊し、コロナ禍も相俟って、中国経済は冬の時代に突入した。

 それは1990年代に日本で生じたバブル崩壊の少なくとも数十倍以上の規模でのリセッションであった。

 これらは全て習近平の「国進民退」政策によってもたらされた結末である。

 しかしながら、習近平が理想とする社会は、毛沢東が目指した完全公有制の共産主義社会である。

 従って習近平にとっては、資本主義経済が崩壊する事は必然であって、理に適った事なのである。

 かつて毛沢東は、民営経済を破壊して、共産党が経済を完全にコントロールするようにした。

 そして現在、習近平も毛沢東と同じ事をやろうとしているのである。

 1950年代、毛沢東は「土地改革」の名の下、地主から土地を収奪して農民に分け与えることによって、農民からの圧倒的支持を得た。

 だが毛沢東が絶対的権力を確立した後は、農民から全ての土地を取り上げて「集団化」を強行した。

 それと同様の政策が、今年に入ってから中国当局により打ち出された「不動産在庫買取政策」である。

 それは、表向きは「市場救済」を装いながら、実際には瀕死の民営企業から資産を買い叩き、国家によって接収するのが目的である。

 中国当局が民営企業から安く買い叩いて取得した膨大な不動産在庫は、今後、低所得層の人民に安価な賃貸料で提供され、習近平は人民からの圧倒的支持を得て、独裁体制が強化される、というシナリオである。

 今回の習近平政権による「不動産在庫買取政策」は、市場救済策などではなく、事実上の不動産市場の国有化政策であり、あくまで完全公有制の社会主義体制を目指す政策の一環なのである。



経済崩壊から社会主義社会へと向かう中国


 経済が社会主義化すれば、個人の私有財産は保障されなくなる為、不動産取引は「売り一色」となる。

 今後、中国において不動産価格が下落する事はあっても、上昇する事はなくなる。

 価格が下落する一方であれば、たとえ住宅ローンの金利が低くなっても、住宅を買おうという人はいなくなる。

 底なし沼のデフレスパイラルの開始である。

 問題は不動産業界だけではない。

 不動産バブルの崩壊は、株価下落はもとより、深刻な金融危機へと直結する。

 1990年代の日本では、住専問題に代表される不良債権問題が生じ、北海道拓殖銀行や大阪の木津信をはじめ多くの金融機関が破綻した。メガバンクも例外ではなく、数多くあった都市銀行が、最終的には3行にまで併合された。

 そしてこれから先は、日本の数十倍もの規模で、中国の巨大化した銀行システムが総崩れしてゆくことになる。

 現に最近では、中国の銀行における人民の預金総額が急激に減少している。ただし、これは金融崩壊のほんの始まりに過ぎない。

 鄧小平以来の「改革開放」経済は完全に終焉を迎え、中国の民間経済や市場経済は間もなく機能停止に陥る。

 ただし日本とは違って中国の場合は、そこでいよいよ共産党が「本来の役割」を果たすようになる。

 経済崩壊を契機として、今後は共産党主導による私有財産の国有化と社会主義化が、本格的に強行されることになる。

 かくして、これまで収奪者であった富裕層は収奪される。

 資本主義が崩壊して社会主義へと移行するこのプロセスは、マルクスが提唱した唯物史観の歴史法則に基づく現象そのものである。

 そのため習近平にとっては、中国経済崩壊こそが「歴史的必然」なのであり、マルクス主義の正しさが証明されたことになる。

 さらに習近平から見れば、中国経済の崩壊をもたらした最大の「人民の敵」は、「改革開放」と称して資本主義化を目指してきた「ブルジョア反動分子」である鄧小平の後継者達、即ち江沢民や胡錦涛なのである。

 従って、中国経済崩壊によって習近平が傷つく理由は一つも無く、むしろ毛沢東思想を奉ずる習近平の面目躍如といったところである。

 中国経済の崩壊は、決して日本のバブル崩壊の拡大版ではない。

 今回の中国経済崩壊がもたらすものは、かつて毛沢東が目指した完全公有制の共産主義社会である。



「核の傘」が存在しない現実にどう向き合うか


 本来、政治家は他の誰よりも「現実主義者」であらねばならない。

 国家を指導する以上、多くの国民の生命に責任を負っているのであるから、当然のことである。

 しかしながら、現実よりもイデオロギーや宗教的信念を優先する政治家が、時折登場する。

 この種の政治家が巨大な権力を掌握した場合、戦争や革命などの大きな混乱が引き起こされる可能性が高くなる。

 習近平は政治家である前に、狂信的な毛沢東主義者であり、文革礼賛者でもある。

 まず習近平の根底にあるのは、強烈な「反資本主義」のイデオロギーである。

 従って、中国国内で企業が倒産しようと、銀行が潰れようと、習近平にとっては一向に構わない。むしろそうした事は、企業の国有化と社会主義化を推進する上で良い機会であると捉えている。

 ただし問題は「対外政策」である。

 狂信的な毛沢東主義者が国際政治に関与した場合、世界は最悪の事態を想定しなければならない。

 1957年11月、ソ連のモスクワで開かれた社会主義陣営の各国首脳会議において、毛沢東はフルシチョフの提唱する「西側との平和的共存論」に反発して、次のように発言した。

「我々は西側諸国と話し合いをする事は何も無い。武力をもって彼らを打ち破れば良いのだ。核戦争になっても別に構わない。世界には27億人がいる。半分が死んでも後の半分が残る。中国の人口は6億人だが、半分が消えてもなお3億人がいる。我々は一体何を恐れるのだろうか」と。

 毛沢東崇拝者である習近平は、毛沢東のこの「核戦争論」をも信奉しているはずである。

 しかも現在の世界人口は80億人を超えており、中国の人口は14億人もいる。

 従って習近平にとっては、核兵器の使用を躊躇する理由など、どこにも存在しない。

 習近平は、毛沢東の悲願であった「台湾解放」を如何なる手段を使っても実現しようとしており、またそれが自らの歴史的使命であると考えている。

 場合によっては、中国は台湾侵攻の際に核兵器を使う事も辞さないであろう。

「核戦争も別に構わない」と考えている国家指導者が存在する事自体が、この世界にとって最大の脅威なのである。

 中国という世界第二位の軍事大国が核戦争も辞さぬ覚悟を抱いている以上、核戦争の可能性は現実味を帯びてきたと考えるべきである。

 因みに冷戦時代には「核の傘」という概念が生まれ、半世紀以上にわたって「核の傘」の有効性が信じられてきた。

 日本や韓国などは米国の「核の傘」によって守られていると思っている人がほとんどであろう。

 しかしながら現実に核戦争が勃発した場合、本当に「核の傘」が機能するのかどうか、専門家の間では疑問が持たれている。

 そもそも、使用すれば自国も核攻撃を受けるリスクのある核兵器を、他国の為に使う政治家は、原理的に存在しないからである。

 従って、中国に米国本土を核攻撃できる能力がある以上、米国が自国の核兵器を使って日本を守ることは絶対にあり得ないと考えるべきである。

「核の傘」という概念そのものが幻想なのである。

 当然のことながら、米国と同盟していない台湾の為に米国の核兵器が使われる可能性はゼロである。

 米国が核兵器を使うのは、米国本土が核攻撃を受けた場合のみである。それ以外のケースで米国が核兵器を使う可能性は無い。

 そのため台湾有事の際に、中国が米国以外の地域で核兵器を使用した場合には、米国は手も足も出せない事が予想される。

 このように「核の傘」が存在しない状況下において、核兵器を使う可能性の高い中国と如何にして対峙してゆくかが、今日の日本に突きつけられた最大のテーマである。

 日本の政治家は、まずこの最重要問題に真正面から向き合わなければならない。現実逃避は決して許されないのである。



ウクライナ戦争の「最終勝者」は中国


 また現在、ウクライナ戦争は長期化し、泥沼の様相を呈している。

 ウクライナ軍は、米国や英国の指導・訓練によって再組織化され、歩兵に加えて、対戦車砲や対空砲も備えている。とりわけ米国の軍事衛星による支援が、ウクライナ軍の抵抗に決定的に寄与している。

 本来は「ローカルな問題」であったウクライナ戦争が、米国や西側諸国を巻き込む形でグローバル化(=世界大戦化)してしまったため、世界はすでに第三次世界大戦に突入したと考える専門家もいる。

 一方、中国政府や中国の国民はロシアに対して非常に好意的であり、今回のウクライナ戦争に関しても圧倒的にロシア支持である。

 中国人の意識の中では、もしロシアが西側諸国に敗れるような事になれば、「次に狙われるのは中国だ」という危機感がある。

 また中国当局としては、むしろウクライナ戦争を長期化させる事により、ロシアを利用して米国の武器備蓄を枯渇させ、米国の弱体化を図るという戦略がある。

 巨大な生産能力を持つ中国からすると、ロシアに軍需物資を供給するだけで米国を疲弊させることが出来る為、戦争が長引いた方が中国にとってのメリットになるのである。

 また戦争の泥沼化によって、中国にとっての潜在的脅威であるロシアも、米国と同様に衰弱してゆくことになる為、中国政府にとっては「一石二鳥」である。

 このように、ウクライナ戦争の長期化によって米露両国が消耗すれば、中国が「漁夫の利」を得る形で、「中国一強体制」の世界を実現する事が出来る。

 中国にとっては良い事づくめであるが、逆に米国や西側諸国にとっては悪夢の結末となる。

 このままでは、ウクライナ戦争が長期化すればするほど、戦争の「最終勝者」は中国ということになってしまう。

 そうなれば世界における中国の覇権は揺るぎないものとなり、香港、チベット、新疆ウイグル、内蒙古、満州などで抑圧されている人々の苦しみが、より一層深刻化してゆくことになる。

 問題はそれだけではない。

 ウクライナ戦争によって、現在の米国は、東アジアへの方面軍展開が出来なくなってしまっている。

 この事は、米国が「中国封じ込め政策」を遂行する能力を失うことを意味する。

 さらに、米国がウクライナへの支援疲れで衰弱したタイミングを見計らって、中国が台湾に侵攻する可能性が高くなる。

 このようにウクライナ戦争の長期化は、米国や西側諸国にとって「百害あって一利なし」なのである。

 米国も西側諸国もウクライナへの同情に流される事なく、現実に目を向けて「即時停戦」を実現するよう、直ちに舵を切り換える必要がある。



「中国解体」の為の長期戦略が必要


 もともとロシアの歴史は「キエフ公国」から始まった。言い換えれば、ロシアはウクライナから生まれた国であると言える。

 そのため歴史的にも地政学的にも、ロシアはウクライナ抜きでは決して「強国」になれないという法則がある。

 世界最大の穀倉地帯であり、資源も豊富なウクライナがあればこそ、かつてのロシア帝国もソビエト連邦も「世界強国」であり得たのである。

 冷戦終結後、米国が対ロシア戦略において主として取り組んだのが、「ウクライナをロシアから引き離す」活動であった。

 その対ロシア戦略に基づいて、1991年にウクライナを主権国家として独立させ、1996年にウクライナの「非核化」を実現させた。

 ウクライナがロシアから切り離された1990年代以降、世界の中でロシアの存在感が失われていったことはよく知られている。

「ロシアが米国に対抗し得る強国となるのを防ぐには、ウクライナをロシアから切り離せばよい」

 この命題こそが、地政学に基づく米国の対ロシア戦略の中心的テーマであった。

 そして冷戦終結後の米国の対ロシア戦略は、見事に成功したのだった。

 今やロシアは「ただの国」に過ぎない。

 ロシア帝国やソビエト連邦時代の「世界強国」としての面影は、全く失われてしまった。

 逆に言えば、再び大国ロシアの栄光を取り戻して「世界強国」として復活させたいプーチンとしては、「どんな事をしてでもウクライナをロシアに取り戻せ」という戦略になる。

 プーチンはウクライナ戦争において核兵器使用の可能性を示唆しているが、これは決して脅しではない。

 ロシアが再び「世界強国」として復活するか、それとも「ただの国」で終わるか、この命運を懸けた闘いが、プーチンにとってのウクライナ戦争の意義なのである。

 このようにウクライナ戦争の背景には、長年にわたる米露の歴史的因縁がある。

 従って「即時停戦」は極めて困難であると言わざるを得ない。

 しかしながら戦争の長期化は、一方的に中国を利するだけである。

 そればかりでなく、極東有事や核戦争勃発の危険性も高まっている。

 そこで、今や本格的に「中国解体」の為の戦略が求められることになる。

 これは世界平和の為の必須条件である。

 かつてロシアを弱体化する為に「ウクライナをロシアから切り離す」という戦略が実行されたように、今後は中国が「世界強国」となる事を防ぐ為の長期戦略が必要となる。

 その長期戦略の第一段階は、香港、チベット、新疆ウイグル、内蒙古、満州などを、「主権国家」として完全独立させる事である。

 さらに次の段階では、中国内陸部において「分離独立」の動きを加速させる事である。

 そうして中国を「強国」でも「大国」でもなく、「ただの国」にしなければならない。

 それによって最も利益を享受するのは、他ならぬ中国人民なのである。

 この地球上から「覇権主義」と「人権抑圧」を消滅させる為にも、諸悪の根源である中国を弱体化させ、解体してゆく事が求められる。

 それは決して不可能な事ではない。

 個人崇拝に基づく絶対的権力が長続きした歴史は存在しないからである。

 最終的には、現在の中国の各省がそれぞれ主権国家として独立し、「多様性のある自由社会」が実現される事が理想である。

 いつの世であっても、強権的独裁者によって支配される一般人民が最も不幸である。

 最近、かつてない規模で、数多くの中国人が中国本土からの国外脱出を図っている。

 その大半は、まずパスポートだけで入国可能な東南アジアに逃れた後、太平洋の島々を経てメキシコに渡り、そこから徒歩で米国に不法入国するルートで、米国の「移民」になるという。

 因みに、中国から国外脱出をしている人々の大部分は、公務員や教師や金融マンなどのエリート層や高所得層である。国外脱出をするにも資金が必要だからである。

 本来ならば恵まれた立場にいるはずのエリート層や高所得層の人々でさえ、中国から脱出して、わざわざ米国の「移民」にならざるを得ないという現実が、現在の中国における恐怖政治の深刻さを物語っている。

 さらに、国外に逃げたくても逃げられない低所得層の人々は、より悲惨な状態にある。

 北京大学の張丹丹副教授による試算によれば、2024年現在の中国の実際の失業率は46.5パーセントに上る。つまり国民の約半数が仕事の無い状況にある。

 しかも仕事に就いている人の大半が、半年以上も給与未払いの状態であるという。

 そのため全国各地で騒乱や暴動が多発している。だが、それらが報道される事は無い。

 事実上、中国社会は崩壊状態にある。そして社会の無秩序化を防止する為に、武装警察や秘密警察が中国社会を支配している。

 今や政府によって国内経済は破壊され、不満を口にする者は逮捕される。

 さらに今後の中国人民は、「大躍進政策」以来の深刻な飢餓状態に陥ると予想されている。

 このように習近平が目指す毛沢東主義の社会は、中国人民にとって地獄の社会なのである。

 最早、国外に逃げる事も出来ず、中国本土に留まらざるを得ない大多数の人民の不満と怒りが沸点に達するのは、時間の問題であろう。

 西洋近代思想には、「人民の為にならない国家は転覆しても構わない」とする「革命権」や「抵抗権」の概念がある。

 米合衆国憲法においても、人民の「抵抗権」が認められている。

 因みに中国においては、同様の思想が、すでに2300年前に孟子によって説かれていた。

 孟子が提唱した「易姓革命」思想は、「天は己に成り代わって王朝に地上を治めさせるが、徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけた時、革命(=天命を革める)が起きる」と説いた。

 中国の歴史においては、度重なる王朝交代は「易姓革命」思想によって正当化されてきた。中国は一貫して「革命の国」である。

 従って、中国人民を苦しめる「習近平皇帝」と「共産党王朝」を打倒する事は、儒教においても近代思想においても正当な行為なのである。

 これからの中国に必要な事は、真の意味で中国人民を幸福にする為の革命である。














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