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霞ヶ関官僚によって滅ぼされる日本
スポイルズ・システムの実現に向けて
[2024.6.1]
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「ディープ・ステート」の解体を公約したトランプ候補 |
Photo(C)REUTERS |
日本を没落させた元凶
前回は、国家の公文書を恣意的に廃棄・隠蔽・改竄する霞ヶ関官僚が、国家を危機に陥れてきた事実について述べた。
続いて、今回から数回にわたり、霞ヶ関官僚が如何にこの国を滅ぼしつつあるかについて考察する。
最近のBIGLOBEによる世論調査によると、Z世代(18~24歳)の場合、日本社会の未来について、「希望を感じている」と回答した割合が約25パーセントであったのに対し、「希望を感じていない」と答えたのは約75パーセントであった。
また「希望を感じていない」理由としては、「政治に期待が持てない」が最も多く、約57パーセントであった。
このように日本の若年層の多くが、政治や政府に対して不信感を抱き、国の将来を悲観しているのである。
国の今後の発展が予測されているBRICS諸国の若者の多くが、「国の未来に希望を感じている」と答えているのとは完全に対照的である。
では、現在の日本が具体的にどのような問題を抱えているのかを確認してみよう。
これまで日本は「経済大国」と言われてきたが、それは錯覚である。
まず日本という国の実態は、膨大な借金によって支えられている「見かけ上の経済大国」に過ぎないという事実を認識する必要がある。
国家の債務残高は世界でも最高水準であり、バブル崩壊以降、経済成長はストップし、技術力は衰退し、「失われた30年」がもたらされた。
しかも近年では、「政府はいくら借金しても良い」といった暴論が跋扈する始末であり、さらにその暴論を信じている政治家が存在するなど、明らかに国家として末期症状の様相を呈している。
1990年には世界一だった日本の国際競争力は、今や世界35位であり、OECD諸国の中でも最下位レベルである。
GDPはすでにドイツに抜かれて世界第4位であり、いずれインドに抜かれて第5位になる事は時間の問題である。
世界における日本の存在感は失われ、日本の国力は確実に転落の一途を辿っている。
すでに先進国ではなくなった日本であるが、「失われた50年」となる2040年には、全ての分野において日本は発展途上国レベルになるとの予測もある。
とりわけ直近の10年間における日本の凋落ぶりは顕著であり、アベノミクスの「日本売り」政策によって円の価値は失われ、国際的に「格安物件」となった日本企業が次々と外国資本によって買収され、事実上、外国による日本の「植民地化」が急速に進行している。
すでに日本の全ての都市銀行の最大株主は外国資本である。
さらに日本国内の主要上場企業の大半が、外国資本に支配されている。
これらの事実は、「会社四季報」などで株主構成を確認すれば明らかである。
因みに現在の日経平均株価の高騰は、経済成長とは全く無関係であり、「日本売り」政策の結果に過ぎない。円安の影響で外国から見て割安となった日本株を外資が買い漁った結果、「バブル超え」などと言われた株高現象が生じたのだった。
また、近年のインバウンド需要の増加なども、かつての植民地や発展途上国において見られた現象と何ら変わらない。
中国人や韓国人のみならず、今やタイやフィリピンからの観光客でさえ、「日本は物価が安い」と言って爆買いをしている状況である。
その一方で、日本人の多くは、円の下落に伴う「物価高騰」に苦しみ喘いでいる。
円安のおかげで外国人観光客が享受しているサービスを、一般の日本人は享受することさえ出来ず、日本人はあくまで外国人に奉仕するのみで、あたかも19世紀の清の租借地における苦力(クーリー)の役割に徹しているのが実情である。
このように、「日本売り」政策のアベノミクスが最終的にもたらした結末は、「日本の植民地化」であった。
しかも、我が国を外国に売り渡した元首相の死に際して、日本政府は「国葬」を以て報いた上、その売国政策を賛美したのである。
こうした異常な国の姿を、後世の人々は果たしてどう評価するだろうか。
日本の没落に伴って、政府がこれまで隠蔽してきた実際の日本の姿が浮き彫りになってきた。
「米国に貢ぐための犬」として日本国民から収奪する事を決定した日米構造協議が実施された1990年代以降、国民の税金や年金や貯金など、日本の全ての金融が米国側に吸い取られてきた。
そして霞ヶ関官僚は、日本の為ではなく、米国政府の為に、ひたすら日本国民から搾取する事に精を出してきた。
日米構造協議が「第二の敗戦」と言われる所以である。
問題は経済だけではない。
我が国は、「医療」や「食」といった生活に直結する分野においても、世界ワーストの地位を続けている。
例えば、以下に挙げる事項は、全て現在の日本の真実の姿である。
・食品添加物の認可数や量が世界一
・農薬の使用量が世界一
・薬の備蓄在庫が世界一
・有病率が世界一
・健康寿命と平均寿命の差が世界一
・精神病院の病床数が世界一
・電磁波の蔓延状況が世界一
・放射能の被曝量が世界1~2位
・奇形や障害の発症率が世界1~2位
上記の実態は、いずれも行政によってもたらされた「人災」に他ならない。
言い換えれば、霞ヶ関官僚は日本国民を実験材料として、人体実験を繰り返し続けているのである。
事ここに至っては、日本政府の官僚機構は、中国共産党や北朝鮮労働党に匹敵する非人道的集団と断ぜざるを得ない。
米国で復活するスポイルズ・システム
行政府官僚に関わる問題を抱えているのは、日本だけではない。
「質の悪い官僚達を排除し、腐敗したワシントンに民主主義を取り戻す」
こう唱えているのは、米国の前大統領ドナルド・トランプ氏である。
トランプ氏は、前回の大統領としての任期が終わる直前の2020年10月に出した大統領令 "Schedule F" を、2期目当選の暁には復活させると宣言している。
この大統領令「スケジュールF」とは、合衆国政府職員に、雇用継続を保証しない「F」という区分を新たに設け、この区分に分類された職員については、「働きが悪い」と判断すれば解雇できるという内容である。
結果的には、2020年の大統領選挙で当選したバイデン氏が、就任後速やかにこの大統領令を無効にした為、実際に運用されることは無かった。
しかしながら、この大統領令が復活すれば、米国の政治や行政の在り方が大きく変わることになる。
トランプ氏は、今年11月の米大統領選挙での返り咲きに向け、選挙公約サイトの動画において次のように発言している。
「私の計画では、『ディープ・ステート(=影の政府)』を解体し、腐敗したワシントンに民主主義を取り戻す。まず、2020年の大統領令(=スケジュールF)を再び発令し、質の悪い官僚達を排除する為の大統領権限を取り返す」
トランプ氏は、合衆国政府の官僚機構が「ディープ・ステート」によって牛耳られている事を明確に主張し、政府機関の職員を大幅に入れ換える考えを示している。
その根底には、前回の大統領任期中、自らの政策の実行が、行政官僚や司法官僚等の抵抗によってしばしば阻まれてきた事に対する遺恨がある。
米国では、大統領が政府の要職に就く人材を指名できる「政治任用制度」が採られており、現状では政治任用ポストの数は約4千である。
ただし大統領令「スケジュールF」が効力を持った場合には、その数が約5万と一気に10倍以上も増加することになる。
「スケジュールF」により大統領が解雇できるポストの数が約5万と言われており、それら大量に解雇された職員に代えて、大統領は自らの意を汲んだ数多くの支持者達を、政府官僚機構に任用する事が出来る為である。
政府官僚の中堅管理職以上の約5万人が総入れ換えになれば、従来のような官僚による抵抗やサボタージュといった事態が発生する事は無くなり、行政の全てが大統領の意向どおりに進められることになる。
そこで現在、米国内においては、大統領令「スケジュールF」の来年度の復活・施行を見越して保守派の団体が動き始めている。
その代表的な組織に、ワシントンに拠点を置く保守派最大のシンクタンク「ヘリテージ財団」がある。
昨年ヘリテージ財団は、「プロジェクト2025」と銘打ち、トランプ氏が大統領に返り咲くであろう2025年1月から保守派の人材を合衆国政府に送り込む目的で、人材募集サイトを発足させた。
「プロジェクト2025」の人材募集サイトは、2万人前後を目標に募集を始めており、すでに約1万人もの応募があったという。
トランプ前政権で人事管理庁(OPМ)のトップを務めた弁護士で「プロジェクト2025」の総責任者を務めるポール・ダンス氏は、次のように述べる。
「ワシントンの官僚機構は、民主党寄りのリベラルな考えを持つ人達ばかりでひどい状況だ。そのため次の共和党大統領にとっては、就任初日から戦略を正しく理解し準備の整った部下達を持つ事が非常に重要になる。我々が選ぶ人材の多くは、トランプ氏が望む人材とぴったり合致するはずだ」
このように米国では、新大統領就任の1年以上も前から、合衆国政府官僚の「人事」が始まっているのである。
真の改革には「官僚の総入れ換え」が必要不可欠である事を、「プロジェクト2025」の責任者達は周知している。
因みに「プロジェクト2025」は、人材募集と並行してオンラインでの「人材育成コース」を提供しており、応募者達はそこで保守派の政策などを学習することが出来るシステムになっている。
そして「人材育成コース」を全て受講すれば、合衆国政府で仕事をする為の準備が整うことになる。ただしその後、政府が正式に彼等を採用するかどうかは別問題である。
いずれにせよ、米国籍さえあれば年齢やキャリアに関係なく、誰もが保守政権の官僚ポストに応募出来る。これが当プロジェクトの最大の特長である。
応募者の一人で、かつてアフガニスタンに派兵された元陸軍兵士の50歳男性は、今回「プロジェクト2025」に応募した理由を、次のように述べている。
「今の官僚機構はエリート集団になってしまい、アメリカらしくない。私のような標準的なアメリカ人が政権に入ることで、国が本来あるべき姿に戻ることが出来るはずだ」
トランプ支持者には、エリート層や富裕層を嫌う工場労働者や農民や帰還兵達が多い。「プロジェクト2025」は、そうした「反エリート主義」の素朴な一般庶民から熱烈な支持を集めているのである。
また「プロジェクト2025」には、他の保守系シンクタンクや政治団体も次々と賛同しており、その数はすでに100以上に及んでいるという。
「プロジェクト2025」を支持するシンクタンクの1つで代表を務めるジェフ・アンダーソン氏は、次のように述べる。
「首都ワシントンにあるシンクタンクの多くは、いわゆるエリート層が唱える政策の実現にばかり力を入れており、大多数のアメリカ人の心配事など考えていない。さらに合衆国政府の幹部職員の中には、大統領に反発し、自身の抱く構想の実現ばかりを目指す人間が大勢いる。こうした現状は、合衆国憲法に反している。プロジェクト2025は、今やヘリテージ財団だけのプロジェクトではなく、様々な保守派のグループが関与するムーブメントである」
一方、民主党のバイデン政権は、保守派によるこれらの動きに対する警戒を強めている。
今年4月4日、バイデン政権下の連邦人事管理庁は新規則を発表した。
連邦人事管理庁の新規則では、「連邦政府の公務員は、職位の区分が移されることによって職を失うことはない」と規定された。また不本意な異動の結果、職を奪われた場合には、不服申し立てが出来るとされた。
これは明らかに「プロジェクト2025」への対抗措置である。
バイデン大統領は、たとえ今秋の大統領選挙で敗北した場合でも、民主党支持者で占められている現在の政府官僚組織をそのまま維持させようとしているのである。
ただし、そうした連邦人事管理庁の新規則も、トランプ政権が成立した場合は直ちに撤廃されることになるだろう。
いずれにせよ「プロジェクト2025」のムーブメントが、民主党政権に危機感を抱かせるレベルの動きになっている事は明らかである。
政権交代の際に「官僚の総入れ換え」を実施する制度は、「スポイルズ・システム」と呼ばれる。日本では「猟官制」と訳されている。
米国史上、最初にスポイルズ・システムを実行したのは、第7代大統領アンドリュー・ジャクソン(任期 1829年~37年)であった。史上初の民主党大統領ということもあり、政策理念が従来とは全く異なる為、官僚組織を総入れ換えする必要があったのである。
その後、最大規模のスポイルズ・システムを断行したのは、同じく民主党の第32代大統領フランクリン・ルーズベルト(任期 1933年~45年)であった。政策の「ニュー・ディール」という言葉にも表れているように、全てを一からやり直す為に、官僚機構は総入れ換えされた。
このように米国では、百年に一度のペースで、大規模なスポイルズ・システムが行われてきた。
そして現在は、約百年ぶりの官僚総入れ換えが実施されるべき時期に来ている。
これまでの大規模なスポイルズ・システムは、いずれも民主党によって実施された。
そのため、長年にわたり合衆国政府の官僚機構は、民主党寄りのリベラル勢力によって占められてきた。
しかしながら次のスポイルズ・システムは、共和党政権によって大規模に実行される予定である。
その結果、来年から米国は劇的に変貌を遂げることになり、またそれに伴って世界全体も大きく変わる事が予想される。
ディープ・ステートとスポイルズ・システムとの相関
トランプ氏がこれほどまでに「官僚の総入れ換え」にこだわる最大の理由が、「ディープ・ステート(Deep State)」の存在である。
トランプ氏は、「ディープ・ステートの解体」を公約にしており、ディープ・ステートとの闘いにおける最終的な切り札こそがスポイルズ・システムであると位置付けている。
ディープ・ステートとは、「国家の内部における国家」のことで、主として金融界や財界の上層部が、合衆国政府の一部との間に協力関係を構築して国家の実権を握り、利益を独占するネットワークの総称である。
それは民意を反映することなく、合衆国憲法から逸脱した権力システムである為、「表の政府」ではなく「影の政府」あるいは「裏の政府」と呼ばれる。
因みにディープ・ステートという用語自体は、すでに1950年代から用いられており、当時は「軍産複合体」を指す言葉であった。軍産複合体とは、国防総省と軍需産業とが一体となり、合衆国政府を戦争へ駆り立てる事によって利益を得ている勢力で、ディープ・ステートの代表的存在である。
なおディープ・ステートという言葉が広く米国社会全体に普及したのは、トランプ氏が自身の敵対者や抵抗勢力を指してそう呼ぶようになった2010年代後半からである。
従って、現在一般的に「ディープ・ステート」と言う場合は、軍産複合体のみならず、多様な分野にわたる幅広い概念として用いられる。
敢えて「ディープ・ステート」を定義するならば、「官僚を媒介にした政府内外の利害関係者の人脈ネットワーク」ということになる。
それは、選挙で選ばれたわけではない一部の特権的な人脈のネットワークが、国家の方針を決め、国を動かし、事実上、国民を支配している体制である。
2017年4月に米国民を対象に行われた世論調査によると、「ディープ・ステート」について、約48パーセントが「存在する」と回答した。そして約35パーセントが「存在しない」あるいは「陰謀論に過ぎない」と回答し、約17パーセントが「分からない」と答えた。
だが、そもそも官僚を取り巻く政府内外の人脈自体は必ず存在するのであるから、それを「信じる」「信じない」という議論自体が無意味なのである。
従って、「ディープ・ステートの存在を信じているのは陰謀論者だ」などと主張したり、必死になってディープ・ステートの存在を否定して回っている自称学者や似非評論家達は、むしろディープ・ステート側の人間ではないかと疑わざるを得ない。
2020年、トランプ政権の閣僚で大統領首席補佐官を務めたミック・マルバニー氏は、「トランプ大統領を妨害するディープ・ステートは存在するのか」との記者の質問に対し、「100パーセント存在する」と答えている。
トランプ氏は、前回の大統領在任中、「ディープ・ステートが大統領の計画を妨害している」と唱え、自身のツイッターでディープ・ステート批判を展開し、ネット上で拡散させた。
そうした影響により、2010年代後半以降、「Qアノン」をはじめとする「反ディープ・ステート」を唱える団体やグループが、米国内で自然発生的に続々と誕生した。
さらにトランプ支持者や共和党系メディアは、トランプ大統領を妨害するディープ・ステートの動きについては、「オバマ元大統領が主導している」と主張していた。
これについては、ディープ・ステートの「本体」である政府官僚組織が民主党支持者によって占められている為、そう思われても仕方がない状態であった。
さてトランプ陣営の定義によると、ディープ・ステートは、
1.エリート主義である
2.影に隠れている
3.一枚岩である
4.攻撃的かつ破壊的である
5.超憲法的権力である
といった特徴を有しているという。
民意に基づかない勢力が国家を動かしている事実は、明らかに民主主義と合衆国憲法に反する状況である。
因みに政治学者のジョージ・フリードマン氏は、連邦職員に対する大統領の権限が制限された1871年以降、ディープ・ステートが存在すると主張している。
つまり、スポイルズ・システムが機能せず、官僚組織が長期間にわたり同じメンバーのまま継続した事によって、ディープ・ステートが成立したというのである。
簡単に言えば、スポイルズ・システムが実施されなければディープ・ステートが形成され、逆に、スポイルズ・システムを実施すればディープ・ステートは解体されるということである。
このように、ディープ・ステートとスポイルズ・システムとは相関関係にある。
トランプ氏は、明確に「ディープ・ステートの解体」を公約として掲げており、今年7月の共和党全国大会において大統領候補の指名を受ける予定である。
「官僚主権」から「国民主権」へ
翻って我が国の現状を鑑みるならば、霞ヶ関官僚そのものが日本における「ディープ・ステート」であると言える。
選挙で選ばれたわけではないにも関わらず、霞ヶ関官僚は政治家の意に従うどころか、逆に政治家を欺き、操縦している。
しかも彼等は、政治家に伝えるべき事を伝えず、外交文書を含む公文書を恣意的に隠蔽・改竄・廃棄しても、何ら罪に問われる事は無い。
因みに我が国の国家賠償法では、「公務員個人の責任は問われない」と定められている。
言い換えれば日本の官僚は、君主国における「国王」のように「政治的無答責」が法律によって保証されていることになる。
つまり日本の政府官僚は法律上、「神聖にして侵すべからず」という神聖不可侵の存在なのである。
これでは、官僚が政治家よりも上位の立場になってしまうのも必然であろう。
即ち日本国は、国民主権ではなく「官僚主権」の国家であって、官僚が絶対君主であり、国民によって選ばれた政治家などは、官僚の下僕に過ぎないのである。
上で述べたように、ディープ・ステートの特徴が、「エリート主義」「影に隠れている」「一枚岩」「攻撃的かつ破壊的」「超憲法的権力」であるとするならば、日本の官僚組織こそ「ディープ・ステート」そのものだと言える。
「エリート主義」と「影に隠れている」という官僚の特徴については、今さら言うまでもない。
また霞が関官僚同士は、普段は互いに争っているが、政治家に対抗する際には「一枚岩」になって団結するという性質を持っている。
さらに「国益よりも省益」「省益よりも自己利益」を優先する霞が関官僚は、国民の利益などは一切考慮しない。国民から見れば、それは極めて「攻撃的かつ破壊的」な存在である。
しかも霞が関官僚は、国の文化や伝統や環境を破壊する事について全く躊躇が無い。むしろ積極的に破壊する側に回っている。
そして「政治的無答責」が法律で保証されている霞が関官僚は、国家にとって重要な公文書や外交文書を、勝手に隠蔽・改竄・廃棄しても許される。
まさにそれは「絶対君主」のみが持つ超法規的権力であり、確かに官僚は「超憲法的権力」を保有していると言える。
こうした事実の認識から出発しない限り、本当の政治改革などあり得ないであろう。
日本の政治改革において最も必要な事は、米国のような本格的で大規模なスポイルズ・システム(=官僚総入れ換え)の導入である。
たとえどの政党が政権を担っても、官僚機構が変わらない限り、同じ事が繰り返されるだけである。
従って、選挙で政治は変わらない。
これは、民主主義が正常に機能していない事を意味する。
「自民党政権がダメであれば、他の政党に」という思考そのものが間違いだったのである。
民主主義を正常に機能させる為には、政権交代に伴って「官僚の総入れ換え」が出来る制度が必要不可欠である。
少なくとも、「米国の言いなり」の政治から、「米国の良い制度は採り入れる」政治へと転換させるべきである。
国政選挙によって官僚組織を丸ごと変更出来るようになった時、初めてこの国に真の意味で民主主義が実現することになる。
それは、「官僚主権」から「国民主権」への180度転換を意味し、戦後最大の「革命」となるであろう。
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